基本式
\[I = q N v S\]電荷密度はゲート酸化膜容量によって誘起される(誘起電荷)
\[qN = C_{ox}(V_{GS} - V_{th}) - ①\]N-MOSの電流密度:
\[J = q N \mu_n E - ②\]チャネル電位分布 ${V(0)=0, V(L)=V_{DS}}$
チャネル内の電荷分布
チャネル位置 ${x}$ における電荷密度(W方向の電荷密度):
\[qN(x) = C_{ox}(V_{GS} - V_{th} - V(x)) - ③\]チャネル位置 ${x}$ における電流密度(W方向の電流密度):
\[J(x) = C_{ox}(V_{GS} - V_{th} - V(x)) \mu_n \frac{dV(x)}{dx} - ④\]ドレイン電流の導出
電荷量は はチャネル位置 ${x}$ に依存するが、電流連続を満たす必要があるので、
${v=\mu E = \mu \frac{dV(x)}{dx}}$ が チャネル位置 ${x}$ に依存し、
電荷の少ない箇所ほど速度が早くなる。
チャネル長の短い、微小トランジスの直列接続と考え、 単位長さあたりのゲート容量 ${C_{ox}/L}$ で考える。
電流密度は ${x=0}$ から ${x=L}$ までの積分と考えて、 さらに、電流はW方向の電流密度を ${W}$ 倍した値であることから、
\[I_D = \mu_n C_{ox} \frac{W}{L} \left[(V_{GS}-V_{th})V_{DS} - \frac{1}{2}V_{DS}^2\right] - ⑤\]もしくは単に④式の両辺を ${x=0}$ から ${x=L}$ までの積分しても求まる。
${\beta_n = \mu_n C_{ox} \frac{W}{L}}$ とおくと、
\[I_D = \beta_n \left[(V_{GS}-V_{th})V_{DS} - \frac{1}{2}V_{DS}^2\right]\]${I_D}$ が ${V_{DS}}$ について飽和する条件: ${\frac{\partial I_D}{\partial V_{DS}}=0}$ から、
ピンチオフとなる条件が、⑤式の両辺を ${V_{DS}}$ で微分して0であるため、
ピンチオフ条件:
\[V_{DSsat} = V_{GS} - V_{th} - ⑥\]飽和電流:
\[I_{Dsat} = \frac{1}{2}\mu_n C_{ox}\frac{W}{L}(V_{GS}-V_{th})^2\] \[I_{Dsat} = \frac{\beta_n}{2} (V_{GS}-V_{th})^2 - ⑦\]ドレイン電流 ${I_D}$を流すために必要な ${V_{gs}}$ :
\[V_{GS}=V_{th} + \sqrt{\frac{2I_D}{\beta}} - ⑧\]これは閾値電圧 ${V_{th}}$ に加えて ${I_D}$ に依存したオーバードライブ電圧:
\[\Delta_{ov}=\sqrt{\frac{2I_D}{\beta}} = V_{GS}-V_{th}\]をゲートに加えると説明でき、以下の式となる。
\[V_{GS}=V_{th}+\Delta_{ov}\] \[V_{DS} = \Delta_{ov}\]チャネル長変調を含めると:
\[I_D = I_{Dsat}(1 + \lambda V_{DS})\]MOSFETの等価回路は電圧制御電流源(トランスコンダクタンス ${g_m}$ と出力抵抗の並列回路となる。
トランスコンダクタンス
相互コンダクタンス:
\[g_m = \frac{\partial I_D}{\partial V_{GS}} = \mu_n C_{ox} \frac{W}{L}(V_{GS}-V_{th})\]飽和領域では:
\[I_D = \frac{1}{2}\mu_n C_{ox}\frac{W}{L}(V_{GS}-V_{th})^2\] \[g_m = \beta (V_{GS}-V_{th}) = \sqrt{2 \beta I_D} = \sqrt{2\mu_n C_{ox}\frac{W}{L} I_D}\] \[g_m = \frac{\partial I_D}{\partial V_{GS}}=\frac{2I_D}{V_{GS}-V_{th}}=\frac{2I_D}{V_{OV}}\]出力抵抗 ${r_o}$ はチャネル長変調により ${r_o \neq \infty}$ となり、
\[r_o=1 / \frac{\partial I_{DS}}{\partial V_{DS}}\] \[\frac{\partial I_{DS}}{\partial V_{DS}}= \lambda I_{D}\] \[r_o=\frac{1}{\lambda I_{D}}\]電流を増やすと出力抵抗が下がる。そのため極は高周波側に移動する。
また、ゲインは電流が増えるほど下がる。
小信号の電圧利得は、負荷のドレイン抵抗 ${R_D}$ に依存し、
${g_m}がV_{GS}に依存して変わるが、v_{gs}(t)=V_{GS}+v_{gs}の入力に対する出力電流I_D+i_d で、i_d=g_m v_{gs}$ と考えて、
MOSFETのダイオード接続
ゲートとドレインを接続すると ${V_{GS} = V_{DS}}$ となり、
${V_{DS}>V_{GS}-V_{th}}$ を満たすの、飽和領域となる。
ダイオード接続では、電圧制御電流源は等価抵抗に置き換わる
\[r_{eqv} = \frac{\partial V_{DS}}{\partial I_D}=\frac{\partial V_{GS}}{\partial I_D}= \frac{1}{g_m}\]ダイオード接続では、この等価抵抗と出力抵抗 ${r_o}$ の並列回路 ${\frac{1}{g_m} // r_o = \frac{1}{g_m} (r_o » \frac{1}{g_m}) }$ となる。
MOSFET を DC 動作点のまわりで線形化すると,小信号モデルは
で表される。
共通ソース増幅段では,ゲートおよびソースは交流的に固定されているため, 出力ノードから見た静的な等価抵抗は
\[R_{\text{out}} \approx r_o\]となり, ${g_m}$ は直流的な出力抵抗には直接寄与しない。
出力ノードには寄生容量および負荷容量を含む容量 ${C}$ が存在する。 このとき,このノードの一次近似の時定数は
\[\tau = R_{\text{out}} C \approx r_o C\]で与えられる。
したがって,このノードに対応する極の周波数は
\[f_p = \frac{1}{2\pi \tau} = \frac{1}{2\pi r_o C}\]となる。
共通ソース増幅段の低周波(中間周波数)利得は
\[A_0 \approx g_m r_o\]で与えられる。
一方,極の位置は
\[f_p = \frac{1}{2\pi r_o C}\]であり,理想的には ${g_m}$ を変化させても, この極そのものの位置は直接は変化しない。
単一極近似が成り立つ増幅器では,開ループ伝達関数は
\[A(j\omega) = \frac{A_0}{1 + j\frac{\omega}{\omega_p}}\]と表せる。
このとき,
という特性を持つ。
ゲイン帯域(gain bandwidth)とは,
「ある利得を保ったまま動作できる周波数範囲」
を意味する。
特に重要なのが,利得が 1(0 dB)になる周波数であり, これを ユニティゲイン周波数 と呼ぶ。
ユニティゲイン周波数 ${\omega_u}$ は
\[|A(j\omega_u)| = 1\]を満たす角周波数である。
\[1 = \frac{A_0}{\sqrt{1 + (\omega_u/\omega_p)^2}}\]より,
\[\omega_u \approx A_0 \omega_p\]が得られる( ${A_0 \gg 1}$ を仮定)。
周波数表示では
\[f_u \approx A_0 f_p\]となる。
ここで,
\[A_0 \approx g_m r_o\] \[f_p \approx \frac{1}{2\pi r_o C}\]を代入すると,
\[GBW \equiv f_u = (g_m r_o)\cdot\frac{1}{2\pi r_o C}\]となり, ${r_o}$ が消えて
\[\boxed{ GBW \approx \frac{g_m}{2\pi C} }\]が得られる。
容量に流れる電流は
\[i_C = C \frac{d v}{dt}\]で与えられる。
$g_m$ が大きいほど,
\[i_d = g_m v_{gs}\]によって容量に供給できる電流が増え, その結果,
という振る舞いになる。
このため設計上は,
「gm を増やすと時定数が減り,極が高周波側へ移動し, ゲイン帯域が広がる」
と表現される。
${A_0 \approx g_m r_o}$
支配極
${f_p \approx \frac{1}{2\pi r_o C}}$
ゲイン帯域積
${ GBW \approx \frac{g_m}{2\pi C} }$
GBW は「 ${g_m}$ によって容量をどれだけ速く動かせるか」を表す指標であり, アナログ回路設計における重要な性能指標の一つである。